【こんなものを○った】【救い上げた】3mmの隙間から救い出せ ~床板の隙間から指輪~ ~プロジェクトXYZ 挑戦者たち~ その3
カテゴリー: こんなものを○った , やった | 2006年01月19日 00:02
(引き続きトモロヲ風で。先にその1,その2を読んで下さい)
指輪は、そこにあった。
しかし、困難は続いていた。
床板の隙間は3mm。
そこから指輪を出し入れするためには、指輪を立てなければならない。
しかし、今指輪は、床板とその下の板との間に、キレイに寝ころんでいた。
隙間から見えるのは、円のほんの一部、という状態だった。
『ヨン様』は、引き続きL字型のヘアピンで、救い上げようとしていた。
しかし、L字の長さが長すぎて、とりまわせない。
「釣り針のような形をしたもので、引っかけることができれば、取れる!」
再び『ヨン様』が提案した。しかし、呑み屋に釣り針などはない。
すぐさま『ろな』が携帯電話を工具代わりにして、L字型のヘアピンを、釣り針型に加工しなおした。
『ヨン様』が、新しく加工されたヘアピンで、救い上げを試みた。
2度、3度……、しかし、指輪はあがってこなかった。
それどころか、油断すると、また床板の裏に入ってしまいそうだった。
そのとき、『ろな』が、意を決して言った。
「オレに、やらせてくれないか」
ミッションスペシャリストとしての、意地だった。
自分は、発見をあきらめていた。そんな中、『ヨン様』が意地で発見した。
ならば、その意地に応えるほか無い。オレには、取れる。そんな、心境だった。
いざ、指輪と向き合った。易しい敵では、なかった。
一度持ち上げてみる。寝ている指輪を回転させて起こそうとしてみる。
しかし、指輪とヘアピンのどちらかが床板の隙間に干渉してしまい、
身動きが取れなくなった。
『ろな』は、過去の類似例を思い出していた。こんなときは、一発では無理だ。
2段階に分けなければ。つまり、引き上げるモノを仕込む段階と、
それを引き上げる段階とだ。
そのためには、何を引き上げるモノに選ぶか…
経験が、ものを言った。
「ヒモはないか。いや、できれば糸くらい細いほうがいい。」
『ヨン様』が、テーブルクロスのほつれ糸を取り出してきた。
『ろな』は思った。これで行ける。慎重にやれば、オレならできる。
まずは、糸をツバでしめらせた。適度な重さと、よれにくさが備わった。
次に、糸をまっすぐに垂らす。意外と難しい作業だが、なんとか無事にできた。
次は、垂らした糸に指輪を通す。指輪を持ち上げ、糸の上に、そっと置いた。
「通った。」
静かに『ろな』は言った。
あとは、通った糸を少しずつ引っ張り上げるだけだった。
指でつまめるところまで糸が来たら、糸の両端をつまみ、
静かに持ち上げた。
音もなく、指輪が救い出された。
「取れた」
『ろな』の言葉に、全員が歓喜の声を上げた。
(スタジオ)
アナウンサー:それでは、その後のプロジェクトXYZをご覧下さい。
(エンディングテーマ流れつつ、トモロヲ風ナレーションとインタビュー)
『ナニワ金融道』は、あのときのことを思い出していた。
『ナニワ金融道』:いやー、正直あんまり覚えてないんですわ。酔っぱらってたしね。
だけど、あれから1週間くらい『ヨン様』が昼飯おごれってうるさかったです。
彼女とは、うまくやっていきたいッスね。
『ヨン様』は、満足げな顔をして語った。
『ヨン様』:まーなんちゅうんですかね、友情の勝利って感じですね。まあ当然見返りって言うか、昼飯はおごってもらいますけどね。
『社長』は、いつものように大げさに語った。
『社長』:いやー、釣り針がいるって言うんでね、車の中にあるからって言って取りに出たんですよ。
そしたら、帰り道はわかんなくなるわ、道に迷ってる間に取れたとか電話かかってくるわ、その取れた瞬間は見逃すわでさんざんでした。
床板の工事やったらねー、知り合いに腕の良い工事屋知ってるんで、すぐにできたと思うんですけどねー。
跡もほとんどわからんようにやりますよ。どうですか床工事?
~プロジェクトXYZ 挑戦者たち~
3mmの隙間から救い出せ ~床板の隙間から指輪~
完
コメント (3)
いや、△丁目の奇跡か。
投稿者: 月夜 | 2006年01月24日 23:24
日時: 2006年01月24日 23:24
○年目の危機ってか?
投稿者: 月夜 | 2006年01月24日 23:24
日時: 2006年01月24日 23:24
すげー、力作ですね
投稿者: ぶ | 2006年01月25日 10:53
日時: 2006年01月25日 10:53